無償で長期利用可?Amazon版OpenJDK「Amazon Corretto」の情報まとめとプレビュー版を使ってみた

はじめに

どーも!ボンネット開け男です!

※————-2019年1月9日更新—————–※
2019年1月以降、結局どのJavaを使うべきなのかは別記事に書きました


※————-2019年1月9日更新—————–※
今日はかなり毛色が変わって、Javaの話です。仕事ではかなりJavaを扱うことがあるんですが、ここ1年くらい結構大きな問題がJava界隈を騒がせてました。そうOracleがJavaを有償化した問題です。
(Oracle JDK8の商用ユーザー向けの無償の公式アップデート終了は来年の1月です)

これがかなり影響が大きく「どうしたもんかなぁ、誰かいい代替案出してくれないかなぁ」と思っていた人は多いかと思います。
そんなあなたに朗報です!AmazonがAmazon版OpenJDKの提供を発表しました。その名も「Amazon Corretto」です。

こんな言い方すると、今回初登場みたいですが、Amazon Corretto自体は元々あるものです(Amazon Linux向けなどに)。ただ、今回朗報と言っている理由は4つありますので、それを説明します。同時にデメリットになるかもしれない点もあるので、そこも説明します。
※なお、本記事はボンネットが個人的趣味で、Amazonのブログ等から引用したものを含みます。正確性を保証するものではないので悪しからず

Amazon Correttoの4つのメリット

1.無償で長期間使える

まず、これです。Oracleが昨年暮れにOracle Javaの有償化を発表した際に、以下のように思ったユーザーは多いはず。
Javaユーザー「なになに!無償で使えなくなるの!?」
Oracle「安心してくれ、無償で使えるOpenJDKとソースをマージする」
Javaユーザー「なんだ、安心だ」
Oracle「ただし、無償版のサポートは各バージョン半年だがな(ボソッ)」
Javaユーザー「What!?」
Oracle「長期間サポート受けたきゃ金払え」
Javaユーザー「What!?What!?What!?」

ここに現れた刺客がAmazon Correttoです。無償はもちろんのこと、同一バージョンを長期サポート、いわゆるLTS(Long-Term-Support)で提供すると発表しました。2018年11月時点の発表では、以下時点までパッチを提供することを発表しています。
Amazon Corretto 8 :2023年6月まで
Amazon Corretto 11:2024年6月まで

2.AWS以外でも使える

これが本当に驚き!今までのAmazonなら「AWS上であれば、Javaを長期サポートするで。だからみんなAWSにおいでー」とやるところでしたが、なんと今回はオンプレでも利用可!なんです。これはホントにびっくり。彼らの狙いや如何に

3.Windows版がある

実はOpenJDKの長期サポートはRedHatも表明していました。RedhatのOS自体は当然有償なんですが、それが派生してCentOS等で使うことができました。ただ、RedHatなので、Linuxだけだったんですよね。Windows版は開発向けのみと限っていました
https://developers.redhat.com/blog/2016/06/27/openjdk-now-available-for-windows/
しかしAmazon CorrettoはWindows版も提供!これのおかげで、Amazon Correttoが瞬く間に広がる可能性が出てきました。自動アップデートがしやすいといいんですが。

4.四半期に1回のパッチが約束されている

完全にOracleさんを意識していますね。はい。今後しっかりサポートしていくという意思表明で素晴らしいです。

Amazon Correttoの残念なところ

1.日本企業からすると長くないサポート

日本企業のシステムは通常5年周期が多いです。となると、開発期間も入れると6年~7年サポートされないといけません。残念ながら、Amazon CorrettoのサポートはOracleの有償サポートよりは短い。無性に求めすぎだという話はあるんですが、せめてAmazon Corretto 8は2025年まではやって欲しかった。Amazon Corretto 11に関しても来年春にリリースされたとして、2024年6月までだと約5年。ハイ、残念。

2.64bitしかない

これはダウンロードページを見た判断ですが、64bitしかありません。OracleがJDK11以降は32bit版がなくなることでザワザワしてますが、この点は同じでした

3.Applet、JWS(Java Web Start)は使えない

AppletとJWSはOracle独自機能になるのでありません。どちらもいずれなくなる機能ですが。これらは、いわゆるJava SEの規約に入るものではありませんので。同様にOracleの有償機能(Flight Recorderなど)もないそうです。Flight RecorderはOpenJDKに統合されたら入るのかしら?今のところ情報はないですね。

4.一方通行かも?ホントに互換はある?

これは誰もわかりません。Amazonは今回のAmazon Correttoが「OpenJDKから完全に乗り換えられる」と説明していますが、その逆は触れていません。Amazonはあくまで営利企業ですから、その点不安です。「Amazon Correttoが市場に広まった段階で急に有償化するんじゃないか・・・・」という不安な声も聞こえてきそう。Amazon Corretto 8を使う場合、Oracle JDK8(サポート切れ)と両方で動くことを確認しておくことが無難、と思います。

Amazon Correttoのプレビュー版を使ってみた

プレビュー版をダウンロードしてインストールしてみました
ダウンロードはこちらから。Windows版はAmazon-Corretto-preview-8u192.msiになります

msiファイルを実行してインストーラーは次へ連打

インストールフォルダを見てみます。
JDKもJREも両方インストールされる様子。(どちらか一方だけは今のところはできなそう。正式版ではできるようになるでしょ、きっと)

Java -versionを叩くと、Amazonのpreview版と出ました

ホントはTomcatでパス変えて動かしたいだけど、それはまたの機会に。

Oracleはどうするの?

どうなるんでしょう。IBMが安いJavaを出したのを見て、Oracleも安いOracle Java SE Subscriptionを出してきたりしましたし、今後何かしらアクションを起こす可能性はあると思います。

さいごに

急に仕事系の話をしたせいで、いつものボンネットブログを想像してた人は驚いたかもしれません。あくまでこのブログは人の役に立ちそうな情報ならなんでもありなブログです。このネタも、仕事関連の人に説明する機会がありそうなので、この機会に書いてみました。今後も気が向いたら書いていきますので、よろしくお願いします。

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